Up 線型変換の導入──<合同・相似>の延長となる「同形」として  


「同形」を考える カラダは,対象の同定をする。
カラダが行う「対象の同定」には,タイプ分けが考えられる。
例えば,つぎのように:
  1. 回転しても,裏返しても,同じ。
  2. そのうえ,近づけても,遠ざけても,同じ。
  3. そのうえ,斜めにしても,同じ。

この「対象の同定」を,形を使っていると見よう。
すなわち,「同形」によって「対象の同定」を行っている,と。
このとき,上の「対象の同定」3タイプには,つぎの「同形」3タイプが対応する:
  1. 回転しても,裏返しても,同形。
  2. そのうえ,近づけても,遠ざけても,同形。
  3. そのうえ,斜めにしても,同形。
「同形」の数学化 この「同形」の数学化を考える。
数学化の方針は:
    「同形」の表現になる図形変換を考える。

ヒントは,これ:


「対応する点=座標が同じ点」が,「同形」の表現になる図形変換ということになる。
上の「同形」3タイプには,つぎの座標枠変換3タイプが対応する:


1 は,既習の「合同」。
2 は,既習の「相似」。
3 は,これまで習ったことのないもの。
この 3 の変換は,「線型変換 (1次変換)」と呼ばれる。
なぜこのネーミングなのかは,学習が進む中でわかってくる。
合同,相似,線型変換の間の含意関係 合同は,相似の特別な場合。
相似は,線型変換の特別な場合。

座標枠の変換が‥‥
基底のなす角 基底の長さ
合同 保存 保存
相似 保存 一定倍
線型変換 自由 自由
収束 今日の学習はここまで。
次回の授業では,「線型変換」を,実際に作図してみる。
まとめ 今日は,合同,相似の延長となる図形変換が,新しく出てきた。