Up おわりに 作成: 2011-07-01
更新: 2011-07-01


    「数と量」は,これを回収する数学がある。 「代数的構造」の数学である。
    「数と量」を回収する代数的構造は,最も粗いものでは「加群 (module)」である。 「線型空間」も,「数と量」を回収する代数的構造の一つになる。
    『「数とは何か?」への答え』)

    数学に回収された「数と量」では,「かけ算の順序」は定義と定理の話である。
    「ああでもない・こうでもない」の「かけ算の順序」論争にはならない。

    翻って,「かけ算の順序」が「ああでもない・こうでもない」の論争になり,延々と続けられるのは,「数と量」を数学にさせまいとしているからである。
    そこでは,「数と量」はリアル観察の内容になる。

    それはそれでかまわない面もあるが,学校数学のこととなると,かまわざるを得なくなる。
    なぜなら,学校数学は,「数学」を標榜するものだからである。

    そこで,「かけ算の順序」を延々と論争する学校教員がいれば,それの数学があることを伝え,先ずその数学を知りなさいと伝えることになる。
    本テクストは,これをしようとした。