現行の中学数学「標本調査」は,「均質」がこれの内容である。
即ち,つぎの内容の学習である:
- 「均質」に対する行動作法
- 均質を前提する場面
- 均質を実現する方法
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1.「均質」に対する行動作法
「均質」に際しては,部分から全体を「延長」で導くべし。
2. 均質を前提する場面
教科書の中のつぎの問題は,認識形式《均質を前提する》の錬成である:
「ある池からコイを50匹捕まえて標をつけ,もとの池に戻しました。
数日後,再びコイを50匹捕まえたところ,印のついたコイが7匹ふくまれていました。
この池には,およそ何匹のコイがいると考えられますか?」
(教育出版)
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実際,「およそ何匹のコイがいると考えられますか?」の言は,「このような場合,均質で考えないのはダメなんだぞ」と言っているのである。
3. 均質を実現する方法
教科書は,つぎの2通りの「均質の実現」を扱っている:
- 偏りのある集団を,均質にする
- 偏りのある母集団から,均質な標本をつくる
Aの方法は,「攪拌 (かきまぜる)」である。
Bの方法は,「母集団の要素に番号をふり,乱数表/乱数さいを用いて,標本抽出」である。
──標本抽出は,母集団に対する「攪拌 (かきまぜる)」が成り立たないとき,この形になる。
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