Up 数学を扱えない制約の中の授業方法
──現行の中学数学「標本調査」の場合──
作成: 2014-07-23
更新: 2014-07-23


    素材
      母集団:白玉と色玉の混合

    標本調査
      標本抽出から,色玉の割合 (「密度」) を推計

    授業1
      標本抽出の実践から,つぎの認識へ
        「標本は,ある程度大きくないと,適切ではないのでは?」
        「標本が大きい方が,確からしいのでは?」
        「標本の大きさと確からしさの関係は?」
      (これの数学は,「大数の法則」)

    授業2
      問題「標本の大きさと確からしさの関係は?」
        「調べるしかない」
        「先ずは,標本抽出ごとの値のバラツキがどうなのかだ」
        「やってみよう」
      作業
        標本の大きさを固定して,標本抽出を繰り返し,「密度」の値のバラツキの程度を調べる。
          「密度」は,「連続量」になる。
          よって,集計方法は「ヒストグラム」になる。
      考察
        「標本の大きさを違えると,ヒストグラムの形状に違いが出てくるか?」
        「出てくる」
        「標本が大きい方が山が急,小さいとなだらか」
        「平均の方は,標本が大きいのと小さいのとで,あまり変わらない」
        「バラツキがどんなふうになるか──これが<標本の大きさ>の要点のようだ」
        (「バラツキ」の数学は,「分散」)

    授業3
      問題「つぎの二つは,関係がありそうか?
        「標本を大きくすると,推計値がより確かになる」
        「標本の大きい方が,標本抽出を繰り返して集計したヒストグラムの山が急」
      授業のゴールとなる認識:
        「山が急とは,1回の標本調査での値が,平均に近いということ」
        (これの数学は,「正規分布」および「中心極限定理」)