Up | はじめに | 作成: 2008-09-13 更新: 2011-08-02 |
それは,《それだけを残して他を無くす》ができるようなものなのか? ことばは便利である。「使う」とか「役に立つ」を考えも無しに言える。 「使う」「役に立つ」とは,どんな内容のものになるのか? 「役に立たない」を言うときには,「役に立つ」とはどういうことかを考えねばならない。 そしてこれをするとき,「無用の用」を遍く見出すことになる。 物事の「無用」は,その物事の連関を問い始めるや否や,言えなくなる。 ──翻って,「無用」を言えるのは,その物事の連関を考えていないためである。 物事の「無用」がその物事の連関を問い始めるや否や言えなくなることを,「無用の用」と謂う:
しかし,「無用の用」は,学習経験を積まないとわからない。 そこで,学生などは,「数学は,日常生活で使うだけのものを教えてくれればよい。」みたいなことを言ってしまう。 「日常生活で使うだけのもの」を切り取ることができると思ってしまうわけである。 本論考『「「無用の用」──「有用・無用」の無意味』は,つぎのことを押さえる:
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