Up はじめに 作成: 2017-07-24
更新: 2017-07-24


    数学教育に係わっている者は,「数学教育とは何か」の問いをつねに携えている者である。
    「つねに携えている」は,「この問いに対する答えを,未だつくっていない」である。

    「数学教育とは何か」の論は,達観のように述べるしかない。
    この論をつくってひとに曝すことは,《達観をかます》をやることである。

    この厚顔を自らに許すものは,自分の経験値に対する「まあせいぜいこんなところか」感である。
    よって,若くして「数学教育とは何か」の論をつくる者は,まずいない。
    現役で数学教育に係わっている者にも,まずいない。
    《「数学教育とは何か」の論をつくる》は,退役する/した者の境地ということになる。

    この種の論の要諦は,こむずかしくしないことである。
    読む側にも経験値が要件になるから,内容はむずかしいということになる。
    そこで,こむずかしくしないことが要諦になるのである。
    具体的には,ごちゃごちゃ書かず,あっさり書くということである

    本論考は,この構えでつくってみるものである。