「本日のダニ」の画像は,つぎの手順で作成している:
- ツルグレン装置を使ってダニを採取
数匹採れたらよいので,落葉少々,採集容器に入れるアルコールも少量。
(アルコールは,ダニを死なすため。)
1時間から2時間ほど電球に曝せば,数匹は採れる。
- スポイトを使って,ダニを採集容器から水を入れたシャーレに移し換える。
- ダニのフォトは,スライドガラスの上で水滴にダニが浮かんでいる状態で,撮る。
ダニをスポイトでピックアップして,スライドガラスに乗せる。
スライドガラスが水をはじかないよう,予め洗剤で油分を除いておく。
- 実体顕微鏡で,ダニを表示。
0.5mm 目盛りの定規をダニに寄せて,ダニと目盛りが一緒に映った画像を撮る。
──実体顕微鏡は,ダニの大きさを測ることがこれの使用目的。
画像は赤味がかる。
(レンズに赤外線フィルタがついてなくて,画像素子が赤外線に感応?)
上の画像は,Photoshop で色調補正を施した。
- スライドガラスを,光学顕微鏡に移動。
- 対物レンズ4倍で,ダニを画像の中心に捉える。
この画像を撮る。
- 対物レンズ10倍に切り替え,ダニを画像の中心に捉える。
大きさが 0.7mm 以下のダニは,この画像にちょうど収まる。
- ダニの体は立体的であり,そしてレンズの焦点深度も浅い。
対物レンズの昇降によって,焦点の合った箇所が異なる画像を複数枚撮る。
──ここで凝り出せば,10枚以上になる。
- ダニの体の一部が水面から出るとき,水面上と水面下の境が画像に映る。
水を加えて対応。
- 画像は,背面,腹面,側面を撮る。
- 体の丸いダニだと,ダニを乗せた水滴を揺らすことによって,うまくいけば横向きにできる。
- 体の平たいダニだと,横向きにするのは難しい──側面の画像はあきらめる。
また,この場合はひっくり返すのも難しいわけであるから,ダニの反対面はスライドガラスをひっくり返して撮る。
(水滴がスライドガラスにくっついたままなので,このやり方が成り立つ。)
- 背面,腹面,側面画像それぞれで,複数画像の合成 (焦点の合った箇所が異なる複数枚の画像を1つの画像に合成) をする。
これは,Photoshop のスタンプツールを使って,手作業で行う。
(Photoshop には深度合成の機能がついているが,本作業の場合は手作業の方が確実。)
このように,けっこう手のかかる作業になる。
──目下,この作業の中でいちばん困難なのは,スライドガラスにダニを乗せるところである。
というわけで,ダニは複数採集できるが,1頭以上を画像にする気は起こらない。
「本日のダニ」のタイトルの所以である。
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