Up ヒトリガ 02 : 繭づくり失敗 (「自動機械の暴走」) 作成: 2018-08-30
更新: 2018-08-31


幼虫が繭づくりをするとき,考えてつくっているわけではない。
幼虫は,自動機械である。
一つの行動の結果が,つぎの行動のトリガーとなる。

この自動機械は,環境の所与を当て込んでいる。
即ち,つぎの行動に入るための足場が,環境の所与として当て込まれている。
幼虫は,この足場を探し求める。
そしてそれを得て,つぎの行動に入って行く。

その足場が得られなかったら,どうなるか。
自動機械は,暴走することになる。

この「暴走」が,この度以下のように観察された。

 註: 観察・撮影のためしばしばちょっかいをかけることになり,これが幼虫の調子を狂わせてしまったという可能性もある。
実際,繭づくり作業中の幼虫は警戒が強く,わずかの振動も幼虫を動き停止の固定状態にしてしまう。この固定状態 (=作業中断) はしばらく続く。



2018-08-30

餌の草を余り食べていない様子なので,シャーレに移す。
念のため,小さい葉を4枚入れておく


13:40
シャーレの蓋に貼り付いていて,足場に糸が見える。
草を食べたときの糞 (暗緑色) とは一見違う糞が,1個だけ有る。

個体 01では,体が(しぼ)む変態があって,繭づくりに入っている。
しかしこの度は,この変態が無い。
気掛かりを抱えたまま,事態の推移を追っていくとする。


シャーレを,観察しやすい位置に移動。
これが刺激になったのか,,上体を小さく振る動きをし出す。




さらに,シャーレから糞と草を除いたら,歩き回るようになった。
ちょっかいして,繭づくりステージをリセットしてしまったのかも。


15時
糸の量が,心もち増えている。


16時
肉眼ではよく見えないが,明らかに糸を吐いて作業している。


18:29
糞がある──葉を食べたときの糞 (暗緑色で固形) とは違っている


18:35
糸は,シャーレの上面


どんな方向性で糸がつけられているのか,見当がつかない。
理のうちなのか,それとも混乱しているだけなのか?


19:26 から 13分間





















22:33
繭の大枠のようなものが現れている



23:02
何かを探し求める(さま)で,主にシャーレの側面に沿って,猛烈に動き回る。
これによって,これまではった糸もぐちゃぐちゃになっていく。


23:32
液体の排出物や毛が落ちている。


23:53





2018-08-31
00:44



06:08
すっかり壊滅状態



草を入れた容器に幼虫を移したが,「暴走」が収まらない。