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読売新聞, 2021-07-14
グーグル 国内決済参入
スマホアプリ企業買収
米グーグルは13日、スマートフォンの決済・送金アプリを運営する新興企業「プリン」(東京) を買収すると発表した。
米巨大ITがスマホ決済市場に本格参入することで、これまで携帯大手を中心に進んできた国内市場の競争が一層激化しそうだ。
グーグルは13日、「プリンの全株式を取得するための契約に合意した」とのコメントを出した。
買収額は非公表だが、プリンの筆頭株主のIT企業「メタップス」(東京) は同日、約45%のプリン株の売却額は49億円と開示した。
グーグルは米国などで「グーグルペイ」を展開しており、キャッシュレス決済の普及が遅れている日本の需要を取り込む狙いがあるとみられる。
プリンは2017年設立。みずほ銀行や伊藤忠商事などが株主となっている。
スマホ決済大手「ペイペイ」などと同様に、QRコードを使った決済アプリを運営し、利用者は数十万人程度とみられる。
強みは送金機能だ。手数料がかかる銀行口座間の送金とは異なり、アプリ上の簡単な操作でお金のやりとりが無料でできる。
アプリは、メガパンクなど50余りの金融機関の口座と連携している。
企業向け事業にも注力し、約400社に経費精算サービスなどを提供する。
アプリ上で企業側から受け取ったお金は、QRコードを使った支払いにも利用できる。
利用者数では、楽天グループが運営する「楽天ぺイ」の約5000万人やぺイペイの約4000万人には及ばないが、グーグルはプリンの送金機能や金融機関との連携を評価して買収に踏み切ったとみられる。
「グーグルは時聞を買った」との見方もある。
プリンは送金や決済を手がける「資金移動業者」に登録されているが、金融庁は審査を厳格化しており、新規参入で登録されるまで長期間かかるためだ。
今回の買収では、利用者が多い「Gメール」や地図アプリと決済・送金機能をひも付けて、利用者を一気に拡大する戦略が考えられる。
膨大な顧客データを持つグーグルがスマホ決済を本格展開する際には、デジタル広告分野と同様に、個人情報の取り扱いなど課題への対応が求められそうだ。
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キャッシュレス決済ビジネスは,決済手数料を収益にするビジネスである。
この記事の Google の場合は,日本のキャッシュレス決済ビジネスへの新規参入というものではない。
Google の狙うところは,はるかに大きいわけである。
Amazon は,小売店を中抜きする物流を築いた。
Google は,<卸し→小売店→購買者>物流での覇者を目論んでいることになる。
Amazon の物流が大域的であるのに対し,Google が狙う物流は小域的 (特に都市的) である。
実際,Google が開発の自動運転車は,この分野で最も力を発揮できることになる。
日本の他のキャッシュレス決済ビジネスは,Google の敵ではない。
小売店が Google の加盟店になることは,Googleキャッシュレス決済サービスユーザが顧客に加わるというだけでなく,<卸し→小売店>と<小売店→購買者>両方で効率的な配送がされるようになるということなのである。
そしてこの流れでは,Google は日本のタクシー配車も傘下に収めそうである。
タクシー運転手を煩わしく思う者は,無人の自動運転タクシーを選ぶことになる。
そしてその利用は,Google のワン・ストップのスマホアプリで,できてしまうわけである。
かくして,Google のビジネスは,物・人の近距離軽輸送──これの覇者──ということに先ずは落ち着きそうである。
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