Up Google 検索 : 要旨 作成: 2021-07-11
更新: 2021-07-11


    今日,ひとは情報を Google 検索で得る。
    ひるがえって,今日,情報は Google が与える。
    ひとは,Google が与える情報を情報のすべてにする。


    その情報は,検索リストの1ページ目である──せいぜい2ページまでである。
    5ページ以下は,無いのと同じである。
    ひとの検索行動がこのようになるからである。

    こうして,つぎのようになる:
     《 今日ひとは,Google 検索リストの1ないし2ページまでを情報のすべてにする》


    どんな Webサイトが検索リストの上位にくるかは,Google が設定するアルゴリズムにかかっている。
    このアルゴリズムは,これまでに色々変化している。
    そして,昨年あたりから,はっきり体制的・商業的になってきた。

    (1) 体制的
    体制的になるのは,世のコンプライアンス圧からである。
    コンプライアンス体制において「反正義」になるコンテンツを,出なくした/出にくくした。

    しかしこれを行えば,十把一絡げになる。
    体制に逆らう格好になるもの,体制の中には居場所が無いもの──要するに少数派 (「マイノリティ」) ──が,Google 検索から消えることになったのである。

    (2) 商業的
    商業的になるのは,Amazon と渡り合わねばならないという事情がある。

    どのようになるかというと,検索ワード「A」に対して,名前に「A」を含む商品を扱う Webサイトが,ズラッと並ぶ。
    即ち,名前に「A」を含む商品を取り扱う業者の Webサイトがこれの数だけ並ぶ,というようになる。

      その商品が時事ネタであれば,その時事ネタを取り上げているマスコミの Webサイトがこれの数だけ並ぶ。
      その商品が書籍であれば,その書籍を扱っている販売業者の Webサイトがこれの数だけ並ぶ。
      その商品が教科であれば,その教科を設けている学校の Webサイトがこれの数だけ並ぶ。


    こうして,Google 検索はいま,ひどく使い勝手の悪いものになっている。

    ネット検索は,この先どうなるか?
    Google が,アルゴリズムの変更を以て,自らこの問題を解決していくのか?
    それとも,Google が自分から開いてしまったニッチに,新しい勢力が新しいアイデアを以て割り込んで来るのか?