Up 風邪ウィルス 作成: 2024-08-28
更新: 2024-08-28

    風邪は，風邪ウィルスの感染である。
    風邪ウィルスは，咽頭の細胞を繁殖に使う。
    翻って，専ら咽頭の細胞を繁殖に使うウィルスが，風邪ウィルスである。

    インフルエンザや新型コロナは，風邪ウィルスの一種である。


    風邪ウィルスは，咽頭の細胞に侵入して分解する。
    細胞のタンパク質製造装置は，ウィルスの DNA をタンパク質製造のレシピといて受け入れ，ウイルスの体を組み立てる。
    こうして，細胞の中でウイルスが製造されていく。

    細胞がウィルスの DNA を受け入れることについて，「細胞がウィルスに騙される」と表現する向きがある。
    この表現は，ウイルスを悪者にしたい場合である。
    しかし「騙される」は，「つくしてあげたくなる」かも知れない。
    そうなると，ウイルスと細胞の関係はかなり微妙ということになる。
    いずれにせよ，億年スケールの進化の歴史でつくられてきた関係なので，簡単に判じられるものではない。


    細胞の中でのウィルスの増殖は，＜DNA を読んで組み立てる＞を繰り返すものなので，けっこう時間がかかる。
    したがって，つくられる個体数もさほど多くないことになる。
    培養皿の中で大腸菌が細胞分裂で倍々に猛烈に増えるイメージのものではない。

    細胞の中でつくられたウィルスは細胞から外に出ていくわけであるが，つくられるごとに出て行くのか，最後にまとまって出て行くのかは，わかっていない。
    こんなわけだから，どんなふうに出て行くのかも，当然わかっていない。

    ひとは，教科書の中に断定的に書かれていることを，みな調べがついていることだと思っている。
    実際は，まったく違う。
    殊にウィルスに関することはそうであって，ウィスルについての「かくかくしかじか」は推理である。
    即ち，「かくかくしかじか」は，「ロジックとしてかくかくしかじかである他ない」である。