Up 虚言/宗教 :「粒子と波動の二重性 作成: 2020-01-12
更新: 2020-01-13


    量子力学のテクストには,「粒子と波動の二重性」のことばが出てくる。
    実際,このことばを唱えることが自分の使命だと言わんばかりである。

    しかし,そのテクストで述べられている内容に, 「粒子と波動の二重性」に該当するものは無い。
    著者が勝手に,内容が「粒子と波動の二重性」だと思い込んでいるのである。
    実際,「粒子と波動の二重性」のことばは,思考停止に使われるふうになっている。


    量子力学は,つぎの問いがすっぽり抜け落ちている:
      「ド・ブロイ波を現すのは,何のどんな群集か?
       そしてそれがド・ブロイ波を現すことになるのは,どうしてか?」
    この<抜け落ちている>は,<抜け落としている>である。
    「粒子と波動の二重性」のことばで,この抜け落ちに蓋をする。

    「粒子と波動の二重性」のことばが,「ええじゃないか♪ ええじゃないか♪」の「ええじゃないか」に聞こえてくる。
    「粒子と波動の二重性」を称名のように唱えて,量子力学の本質的欠落にますます無自覚になっていく。


    よって,くどいが何度も言わねばならぬ。
    粒は粒であって,波ではない。
    そして波は,粒の群集が現すところのものである。

    ド・ブロイ波も,粒の群集が現す波である。
    一粒がド・ブロイ波に転じるわけではない。

    「粒子と波動の二重性」は,虚言のレベルでは済まず,宗教までいってしまうことになる。
    よくよく吟味すべし。危ぶむべし。