Up 一般相対性理論における「座標系」の意味 作成: 2018-02-11
更新: 2018-02-16


    「相対性理論」のテクストは,「座標」の解釈を間違う。
    まさかと思うが,ほんとうである。
    「座標」の概念は「相対性理論」の核心であるが,まさにこれを外してしまう。

    どうしてこうなるかというと,「相対性理論」を形式感覚で過ごしてきているからである。
    意味を考えていないわけである。

    一般に,意味を考えない者は,核心的な意味ほど外してしまう。
    なぜなら,核心的な意味ほど,形式感覚ではやり過ごせないものになるからである。


    「相対性理論」のダメなテクストは,「一般座標」の言い回しを必ず使うので,それとわかる。
    なぜこの言い回になるかというと,「どんな座標を立てるかは任意」を「相対性」の意味にしているからである。
    即ち,「多様性」を「相対性」の意味にしているのである。


    一般相対性理論は,リーマン多様体 ( 「リーマン多様体」) を空間モデルにするものである。
    リーマン多様体は,点ごとに正規直交座標を立てる。
    ここで,点\(P\) の地図 \(\phi_P\) を,別の点 \(P'\) の地図 \(\phi_{P'}\) に読み込む。
    このとき,\(\phi_P\) の正規直交座標に対応する座標が現れることになり,そしてこれは,正規直交座標ではなく曲線座標になる。
    かくして,正規直交座標は「相対的」である。

    リーマン多様体で主題になる「座標変換」は,この「相対的」の表現としての「座標変換」である。
    「座標変換」は,
        \(\phi_{P'}\) の正規直交座標と,
        \(\phi_{P'}\) に読み込んだ \(\phi_P\) の曲線座標
    の間の座標変換である。

    一般相対性理論で主題になる「座標変換」は,これである。──これ以外ではない。
    特に,「一般座標」なんぞが出てくる場面は無いのである。