Up <睡眠>のいろいろ 作成: 2016-08-14
更新: 2017-09-18


    生体リズムとして,<睡眠>がある。
    通常謂う「睡眠」は,概日の<睡眠>である。
    概日の<睡眠>の他にも,生体は定期的・非定期的な<睡眠>をもっている。

    <睡眠>は,カラダのモードである。
    「眠い」は,カラダが<睡眠>モードに入っている状態であり,既に<睡眠>である。
    「体がだるい」「気力減退・無気力」は,カラダが<睡眠>モードに入っている状態であり,<睡眠>である。
    <睡眠>は,「睡眠」のように見える必要はない。


    <睡眠>の機能は,体力の回復である──「体力」の多様な意味を含めて。
    <睡眠>をしないことは,疲労を蓄積することであり,これは体を死に至らしめる。
    週の休み,月の休み,年の休みが暦の中にあるのには,意味がある。

    ひとは,「体がだるい」「気力減退・無気力」を病気と定め,薬を以て体を「元気」の状態に仕向けることを良い事だと思っている。
    しかしこれは,<睡眠>モードの体を無理矢理<覚醒>モードにするということである。
    この無理は,体の障害として返ってくる。


    ストレスが昂じると,生体は<外界遮断・自閉>を発現する。
    「鬱症状」と称されているところのものである。
    これは,<睡眠>である。

    老人ボケ (「認知症」) も,一種の<睡眠>である。
    老化とは,「元気」が体のストレスになることである。
    そこで,「元気」を封じるために,<睡眠>モードに入るというわけである。
    ただし,この<睡眠>は,<覚醒>の無い<睡眠>である。


    <睡眠>は,健康維持のメカニズムである。
    そこで,<睡眠>をきちんととる者は,そうでない者より長生きすることになる。
    特に,鬱病や認知症の者は,そうでない者より長生きするというロジックが立つ。




  • 参考文献
    • 近藤宣昭, 『冬眠の謎を解く』, 岩波書店 (岩波新書 1244), 2010.