Up 例 :「草」 作成: 2019-06-09
更新: 2019-06-09


    ひとにとっての「草」は,叢生の様の草である。
    叢生の中の草は,独りでは立てない華奢なつくりになっている。
    互いにもたれ合うことで,立っていられる。
      独りで立つときは,これができるカラダをつくる。
      こうして同種の草も,環境によって形・大きさを著しく変える。
    草が丈を伸ばすのは,日の光を得るためである。
    日の光を得ることが周りの草との競争になるために,丈を伸ばすことが競われる。
    丈は,周りの状況を見て調整される。
    こうして,叢生は波である。
    草は互いにもたれ合って立っているので,強い風雨などで一部が倒れると,その周りも倒れる。
    これは連動する。──但し,上に重なる格好の倒れ込みなので,ある程度のとこで収まる。
    そして攪乱された叢生から,また新たな植生が展開される。
    この一部始終も,波である。
    以上は,容易に目に付く波を挙げただけである。
    観察するほどに多種多様な波が見出されることになる。