- 降水の中の炭酸由来 ( → アルミニウムイオン)
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和田信一郎『土壌学』, 12.4. 森林土壌の酸性, p.209.
降水は,清浄であっても10-5 mol/L の炭酸を含む.
土のリター層およびA層を通過するとき,二酸化炭素濃度の高い土壌空気と接触して,溶存炭酸濃度はさらに上昇する.
このような酸性の降水が浸透し,‥‥‥
浸透水中のプロトンと
[土壌に吸着している] カルシウム,マグネシウムイオン
が陽イオン交換し,[カルシウム,マグネシウムが] 下方に溶脱される.
[ = 鉱物の溶解 ]
降水が硝酸,硫酸等を含む酸性雨の場合には,その陽イオン交換-溶脱 [鉱物の溶解] はさらに促進される.‥‥‥
[鉱物が溶解して,骨格内部からアルミニウムが表れる。
アルミニウムは,プロトンイオンとイオン交換して,アルミニウムイオンになる。
アルミニウムイオンは,土壌に吸着・保持される.]
このような過程が継続すると,土の交換性陽イオンに占めるアルミニウムイオンの割合が高くなる.
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土壌の酸性は,主にアルミニウムイオンに因る:
Al(OH2)63+
= Al(OH2)5(OH)2+
+ H+
- 生物タンパク質由来 (→ アンモニウムイオン)
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同上, p.209
落葉・落枝に含まれるたんぱく質の無機化によって生成したアンモニウムイオンの
の過程では,アンモニウムイオン 1 mol あたり 2 mol のプロトンが生成する.
湿性または乾性沈着するアンモニウム塩の量が多いと,それだけプロトン生成量も多くなる.
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- 酸性雨 (硫酸, 硝酸)
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