『よくわかる微生物学の基本としくみ』(高麗寛紀著, 秀和システム, 2013), p.13
- 大気中に酸素が存在すると,微生物細胞内に,活性酸素と称される極めて高い細胞毒素を有する過酸化水素 (H2O2) やスーパーオキシドアニオンラジカル (・O2-) などの過酸化物が,生成する。
- こうして,酸素が存在する環境下では,嫌気性微生物の多くが死滅した。
- しかし,地球上に酸素が出現すると同時に,これらの過酸化物の分解酵素(カタラーゼ:過酸化水素分解酵素,SOD:スーパーオキシドジスムターゼなど)をつくる遺伝子を獲得した微生物が,地上で増殖できるように適応・進化した。
- 一方,嫌気性微生物は,酸素の存在しない地下や深海で現在まで生き延びてきた。
- 地球表面の酸素濃度に適応した好気性細菌および通性嫌気性菌は,代謝活性がひじょうに活発となり,進化が速くなって,原始細菌から古細菌,真正細菌,さらに真核生物の酵母やカビ,多核生物,多細胞生物が次々と誕生した。
註.
真核生物
真核細胞からなる生物群。
原核生物に対置される。
単細胞性または多細胞性で,単細胞生物の一部と,肉眼的に認められる大型の生物のすべてとが,これにあたる。
(『岩波生物学辞典』)
真核細胞
静止核において,核膜に包まれた核(真核 eukaryon) をもつ細胞。
原核細胞に対置される。
有糸分裂を行い,核では DNA がヒストンなどの蛋白質とともに染色体の構造をつくり,核内には核小体が見られる。
細胞質内には膜系がよく発達し,小胞体・ゴルジ体・ミトコンドリア・葉緑体・リゾソームなどの細胞小器官が存在し,それぞれ特異的機能を果たす。
(『岩波生物学辞典』)
『よくわかる微生物学の基本としくみ』(高麗寛紀著, 秀和システム, 2013), p.22
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核 |
細胞壁 |
外壁 |
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原核細胞 |
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○ |
○ |
真正細菌, 古細菌 |
○ |
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真核細胞 |
○ |
○ |
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植物, 真菌 |
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動物 |
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