Up 元素 作成: 2019-08-10
更新: 2019-08-10


    個Aに対し,<個=<個の系>>の溯行を,この溯行の途上に現れるすべての個に対して行う。
    そして,この溯行がいつか終わりになるとする。
    このとき,最終段階の個全体を,Aの成分と呼ぶ。

    <いつか終わりになる>は,溯行者が所有する溯行テクノロジーに依存する。
    即ち,文化に属する。


    個Aが個Bの部分であるとき,Aの成分の存在階層よりBの成分の存在階層が深くなる。
    ここに「森羅万象の成分」の概念が持たれる。
    これを「元素」と呼ぶ。


    Aのダイナミクスを成分間関係のダイナミクスとして表すことは,できない。
    Aのダイナミクスは,A=<個の系>となる個の間の関係ダイナミクスとして表されるのみである。 それより下の存在階層には溯行できない。
    実際,これが「存在階層」の概念を立てる所以である。

      生命は所詮物理──原子の振る舞い」のような言い方はできても,その「振る舞い」を記述してみせることはできない。且つ,この「できない」は「原理的にできない」である。