Up ポストモダン 作成: 2010-06-15
更新: 2019-06-01


    ポストモダンは何を主張するものであったか。
    「脱構築 (deconstruction)」を主張するものであった。

    脱構築とは何か?
    「脱構築」は,構築である。
    構築されるものは,構造である。
    構造とは,「異種のものの間に同型を見る」というときの「型」のことである。
    「脱構築」のお里は,構造主義にある。
    実際,構造主義を行うとは,「脱構築」を行為することである。

    「脱構築」は特別なことではない。
    常識・良識に疑いをもつことがある。
    常識・良識を解体しようして行う作業は, 《これの構築を疑い,別の構築を考える》である。
    この行為が「脱構築」である。

    ポストモダン (「脱構築」) が一時(いっとき)ブームになったのは,「既成・固定観念の呪縛からの解放」のロマンチシズムが気に入られたためである。

    このブームの中で,「脱構築」を「テクストの勝手読み」のように受け取るむきも出てきた。
    即ち,ソシュールを都合よく援用して, 「テクストは勝手読みを許す」を唱えるふうになった。
    しかし,<構造>はそんなに自由なものではない。
    「脱構築」は,「勝手読み」にはなれない。