- 冬芽(ふゆめ)(winter bud)の種類
冬芽は必ず葉腋に形成される。冬芽の直下に、必ず葉または葉痕がある
- 休眠芽(きゅうみんが)
乾季・雨季や温暖期・寒候期の季節変動に適応した生活スタイル。
「冬芽」は休眠芽。
- 葉芽(はめ)・ 花芽(はなめ)・ 混芽(こんが)
- 葉芽 葉や新条になる芽
- 花芽 花や花序になる芽
- 混芽 花と葉がいっしょに含まれる芽
- 隠芽(かくれめ)・ 潜伏芽(せんぷくが)
- 隠芽 一年生枝(いちねんせいし)の中に隠れている芽
- 潜伏芽 木質部内に埋まった休眠芽。目覚めると萌芽枝(ほうがし)となる。
- 頂芽(ちょうが)・ 側芽(そくが)
- 頂芽 枝の頂端についた冬芽
- 側芽 葉痕(ようこん)の直上部につく冬芽
- 頂生側芽(ちょうせいそくが)・ 仮頂芽(かりちょうが)「a 頂芽(ちょうが)型(がた)b 仮頂芽(かりちょうが)型(がた)」
- 頂生側芽 頂芽(ちょうが)の周囲に輪状に集まった側芽
- 仮頂芽 枝の一番先に付く側芽 (枝先が枯死し、最上部の側芽が頂芽のようになる)
頂芽型に、枝の伸長パターンが表現され、樹木の生き方を見てとれる
- 頂芽型 開葉後、枝を一気に伸ばし,終える樹種。
- 仮頂芽型 生育条件が許す間は、枝が伸び続ける樹種
- 副芽(ふくが)・予備芽(よびが)
- 副芽 葉痕(ようこん)の上側に冬芽(ふゆめ)が二つ以上つく場合、主芽と副芽(ふくが)(予備芽(よびが)とも言う)に分ける。
主芽が障害を受けたときの出番が予備芽(よびが)。
- 冬芽(ふゆめ)(winter bud)のつき方
徒長枝において、その形態がきわめて明瞭に見て取れる
- 対生(たいせい)・ 輪生(りんせい)・ 互生(ごせい)「a らせん生 b 二列互生(ごせい)」
- 対 生 十字対生(たいせい)含む
- 輪 生
- 互 生 二列互生(ごせい)とらせん生に分けられる。
- らせん生=冬芽(ふゆめ)のつく位置。冬芽(ふゆめ)の数を分母、枝を回った数を分子にすると、1/2、1/3、2/5、3/8、5/13、・・・・のように規則的である。
- 二列(にれつ)互生(ごせい)=1/2らせん生である。
- ケンポナシ型=変則互生である。1/4→1/3→1/4→1/3→・・・・
- 有柄芽(ゆうへいが)・ 無柄芽(むへいが)
- 有柄芽 芽柄(がへい)有り。
- 無柄芽 冬芽に柄がない。
- 芽鱗(がりん)(bud-scales)
越冬芽を、乾燥や凍結から守る機能あり、葉の一部が変化したもの。
- 芽鱗(がりん)痕(こん)=春になり芽鱗(がりん)が役目を終えて脱落した痕(あと)。年齢を数える重要な指標になる。
- 有鱗芽(ゆうりんが)=芽鱗(がりん)で保護された冬芽(ふゆめ)
- 裸芽(はだかめ)=芽鱗(がりん)を持たない冬芽(ふゆめ)。サワグルミ、オニグルミ、ハクウンボク・・・。
- 尾状花序(びじょうかじょ)=裸芽(はだかめ)の花芽(はなめ)。サワシバ、シラカバ、アカシデ、ヤマハンノキ・・・。
- 芽鱗(がりん)の起源(きげん)
- 托葉(たくよう)起源(きげん)=ハルニレ、ブナ、ホオノキ、シナノキ、ヤマハンノキ
- 葉身(ようしん)+葉柄(ようへい)起源(きげん)=ヤナギ類
- 葉身(ようしん)基部(きぶ)+葉柄(ようへい)起源(きげん)=トチノキ、カエデ類、サクラ類、ヤチダモ、ハリギリ
- 芽鱗(がりん)の数
1枚=スズカケノキ、ヤナギ類(帽子状)
2枚=シナノキ、ホオノキ(2枚が癒着)、コブシ、カツラ、オオモミジ、サンシュユ
3枚=ケヤマハンノキ
2~4枚=ヤチダモ、ハリギリ、ナナカマド、シンジュ、ハウチワカエデ
4枚=ヤマグワ、オオバクロモジ
4~6枚=アズキナシ、ハルニレ
5~10枚=ミズキ、イタヤカエデ
8~20枚=トチノキ
20枚以上=サワシバ、ブナ
- 葉痕(ようこん)(leaf-scar)
葉痕は、クチクラの発達した離層の表面である。維官束の痕も見える。
- 離層(りそう)=葉と枝の接点にできる。
- 葉痕(ようこん)=葉の落ちた痕(こん)跡(離層)。
- 維管束(いかんそく)痕(こん)=葉痕(ようこん)内に見られる。葉身(ようしん)、葉柄(ようへい)、枝、幹、根をつらぬく通路。
- 托(たく)葉痕(ようこん)=葉痕(ようこん)の両側に残る。
- 葉柄(ようへい)内芽(ないが)=葉柄(ようへい)が冬芽(ふゆめ)をすっぽり包んでいる、キハダ、ハクウンボク、スズカケノキなど。
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