Up 根回し・出来レース 作成: 2009-03-21
更新: 2009-03-21


    行政が打ち上げた「教職大学院」に,国立の主要な教員養成系大学・学部が手を挙げた。 そしてこの度は,「2020年までの外国人留学生30万人受け入れ計画」に,国立の主要な教員養成系大学・学部が「アクションプラン」で応える。

    プロジェクトは,つぎのように起こるのではない:
      これをやろうと思う。参画する者はいないか!
      わたしを参画させてください!
    だれでも知っているように,プロジェクトは,根回しから始まる。
      メンバー構成の形をつくらねばならないので,手を挙げて欲しい。──あなたが手を挙げてくれたら,他も手を挙げるようになる。
      わかりました,お手伝いしましょう。

    根回しができて,プロジェクトを宣言する。
    プロジェクトは,出来レースで始まる。

    根回し・出来レースは,手法自体としては,よいも悪いもない。
    実際,プロジェクトを起ち上げるときは,壊さないようにそっと持ち上げねばならない。 プロジェクトが自分の足で歩くようになるまでは,これを支えたり,引っ張ったり,押したりを<こっそり>行う者が,必要になる。

    よい悪いの問題は,この手法を使う対象とその使い方にある。
    すなわち,<根回し・出来レースの形でしか支えられない脆弱な内容のもの>にこの手法を使えば,この後ずっと,無理を続けねばならなくなる。

    行政は,たいてい,プロジェクト内容の強度・脆弱度の計算を怠る。すなわち,思惑で事を始める。
    「教職大学院」は,これである。(応じた大学は,現在悲惨なことになっている。) 「2020年までの外国人留学生30万人受け入れ」も,定めし,これである。(実際,どんな計算をしたのか,言っていない。)