Up | 「改革」とは? | 作成: 2008-01-28 更新: 2008-01-28 |
「改革」は,その一つである。 「改革」を否定する者は,野蛮で愚か者ということになる。 一方,「改革を行うのは,若者・よそ者・馬鹿者」ということばがある。 これの含意は:
(対偶:「もの知りは,改革を行わない」) 実際,ものを知るとはものの複雑さを知るということであり,複雑さを見てしまうと「改革」に尻込みしてしまう。 「改革」をやるとは,夜郎自大になることであり,それはものの複雑さを知らない者ができる。
ものの複雑さを知らない者が夜郎自大でやることは,制度いじりである。 複雑さを知らない者の目には,制度が世界を決めているように見える。 つまり,こんなふうに考える:
制度を改めることで世の中がよくなる。 複雑系は一つの<均衡>であり,制度はこの<均衡>の表現であるとともに維持装置の一つになっている。 これをいじると,<均衡>が崩れる。 そしてたいてい,めちゃくちゃ (手に負えない状態) になる。 その一つ: 「改革」は制度至上主義なので,規則による統制主義,規則の形骸化,規則悪用の世の中になる。 つまり,無意味な規則でセコセコして窮屈であることの一方で,規則悪用が「人の甲斐性」になる。 こういうわけで,現実の「改革」(すなわち,ものの複雑さをよく知らない者が夜郎自大でやってしまう「改革」) は,たいてい「言論の活力と自由」を抑制する方向に進む。 よって,「言論の活力と自由」の立場から闘わねばならない相手になる。 ──「改革」のことばに正義・熱情の響きを聞く人には意外な物言いであろうが,実際こうなる。 |