Up ソフトウェア管理台帳 作成: 2007-08-07
更新: 2007-08-07


    「コンピュータソフトの台帳づくり」も,「叱られないために大事を壊す」である。
    これは,「モラル・規則遵守の組織づくり」のまったく逆を行く。

    モラル・規則遵守の組織づくりの要諦は,違反者の処罰である。 しかしこれをするのを嫌がって,連帯責任とか不自由不便の制度の導入をやってしまう。

    なぜ社会や学校で,マナー・モラル・規則遵守を子どもに教育するのか? 「教育しなければどうなるか?」と考えるとよい。 何でもかんでも管理しなければならない,になるからだ。
    問題は,管理ではなく教育なのだ。
    翻って,管理は,マナー・モラル・規則遵守の心をダメにする。
    (Cf. 試験の不正対策は,監督ではなく教育である。)


    「国立大学でのコンピュータソフトの不正コピー」問題への正しい対応は,つぎのものである:
    1. 「コンピュータソフトの不正コピーは犯罪である」を学内に周知。
    2. 犯罪発覚の場合は,厳格に処分。

    さらに,今回は「管理の分限」というものがきちんと考察されているようには見えない。 実際,つぎのような問いに,答えがきちんと立たねばならない:

    1. ソフトウェアは,一極管理されるべきものか?
    2. 一極管理は可能なことか?
    3. 一極管理が新たに引き起こす問題はないのか?

    a については,一極管理されるべきではない。
    b については,一極管理は不可能である (現実性がない)。
    c については,製品ソフトのシリアルを一極保管することの問題がある。

    ことばは便利/危険である。 「コンピュータソフトの台帳づくり」を言えば,それに実体があるように錯覚してしまう。

    「コンプライアンス」や「アカウンタビリティ」が流行りになって以来,もっぱら「アリバイ作り」を目的とするような妙な指示がやたら上から (行政の方から) 降りてくるようになった。 これは,悪しき官僚主義である。( 官僚主義とは?)