Up 要 旨 作成: 2009-01-05
更新: 2009-01-05


    「アカハラ」──教員の考える<学業を課す>を学生がハラスメントと受け取るタイプの「アカハラ」──の要素には,教員の未熟とともに,学生の未熟がある。
    学生の未熟には,つぎの2つがある:

    1. 「大学教育・大学生」の意味を,よくわかっていない。
    2. 教員に対し自分の意思を伝える/異を述べることが,あたりまえにできない。


    A.「大学教育・大学生」の意味を,よくわかっていない

    「大学教育・大学生」の意味をよくわかっていなければ,<学業>に対して見当違いの受け取りをしてしまうことになる。


    B. 教員に対し自分の意思を伝える/異を述べることが,あたりまえにできない

    「アカハラ」では,学生が教員に対し「自分の意思を伝える/異を述べることがあたりまえにできない」ぐあいになっている。
    できない理由は,(論理の上の可能性として) つぎのものである:

    • 「教員に対し自分の意思を伝える/異を述べる」という概念が無い。
    • 「教員は,学生が自分の意思を伝える/異を述べるべき対象ではない」という思い込みがある。
    • 「教員に対し自分の意思を伝える/異を述べることは,教員に対する反抗であり,そして反抗すれば教員から何らかの仕返しをされる」という想いがある (「パワハラ」恐怖)。
    • 自分の意思/異論を持てない (「指示待ち」)。

    教員に対し自分の意思を伝える/異を述べることができない学生は,つぎのような行動形態を選ぶことになる:

    1. 不満・異議を愚痴の形で他の者に話すことによって,ストレスを発散する。
    2. 自分の「ヘルプ!」に気づいてほしくて,ネットに匿名投稿する。
    3. 学生相談員やオンブズマンに訴える。

    そしてこれが,「アカハラ」の事件化の形である。