「犯罪者の籍があるところは謝罪する」は,モンスター・ロジックである。
このことを見るには,「それはどんな罪か?」と転じてみるとよい。
大学は,犯罪者を産むコースとか環境をつくってはいない。
大学の罪の可能性は,つぎの2つである:
- 犯罪の潜在性がある者に,「学生」という籍を与えている。
- 犯罪の潜在性がある者を,管理していない。──学外で犯罪をやるかも知れない状態にしている。
これは,つぎの罪と近い:
- 危険動物を,自分の家に持ち込んでいる。
- それを管理していない。──外に出て人を襲うかも知れない状態にしている。
しかし「学生」の場合は,大学がつぎの「免責 (Disclaimer)」を外に示して,それで終わりとする問題である:
学生の学外での犯罪に対し,大学は責任を負いません。
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実際,責任など負えない。
すなわち,「責任を負えるようになるために,何かをする」──そんな「何か」は存在しないし,そもそも大学はそんな「何か」を行うところではない。
責任を負えないものに責任を負っているような風を装うのは,欺瞞である。
「謝罪」は,この欺瞞とペアになっている。
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