Up 犯罪の訴え先が大学であるということの意味 作成: 2009-02-22
更新: 2009-02-22


    犯罪があり,犯罪者は大学生であった。
    その犯罪は,警察に訴えれば刑事犯罪として扱われるものである。
    犯罪の被害者,あるいはその犯罪を知ることになった者が,大学に訴えた。
    ところで,犯罪があったのは学外である。
    さて,なぜ訴え先が大学なのか?

    訴え先を大学にしたその思いは,可能性としてつぎの3つ:
    1. 犯罪を行った学生を処分してもらいたい。
    2. 犯罪処理のエージェントの役を,大学にやってもらいたい。
    3. 大学には指導責任がある。謝れ!

    A の場合
    訴えた者は,犯罪者の制裁を強く望む。
    そこで,犯罪者を制裁できるところはどこか?とさがす。
    大学は,このうちの一つ。(「大学は,退学処分を下すべき。」)

    B の場合
    訴えた者の思いには,つぎのものがある:
    • 警察は敷居が高い。
      (大学に訴えたら,後はうまくつなげてくれるはず。)
    • 犯罪者と直接向き合う形になりたくない。
      (大学が間にはさまる形がいい。)

    C の場合
    訴えた者は,この犯罪者に対し「指導」という形で関わっている者も,責任を問われねばならないと思っている。
    実際,親・学校・勤務会社に対する責任追及とこれに対する親・学校・勤務会社の謝罪会見が,今日スタンダードになってしまった。 このスタンダードの形成・強化の先頭にいるのが,マスコミである。
    これは,「モンスター」ロジックであり,大学はこれを退ける見識をもたなければならない。 特に,「ともかく謝る形をつくっておけば穏当」をやってはならない。