Up | 「同じ仕事をしているから,同じ給与」の自家撞着 | 作成: 2011-11-22 更新: 2011-11-22 |
「同じ仕事には同じ給与」は,一見もっともらしい。 しかし,少し思慮すれば,「本当かな?」になる。 すなわち,「同じ仕事には同じ給与」では,「給与」の概念が立たなくなるのである。 実際,給与は,仕事内容に対して支払われるというよりは,役職に対して支払われる。 「給与」の意味から「役職に対して支払われる」を無くしたら,給与は成り立たない。 正社員と臨時社員の賃金格差は,「給与」のもともとの含意である。 「同じ仕事には同じ給与」が通れば,自分自身を含め天地がひっくり返ることになる。 この自家撞着が,きちんと理解されねばならない。 「同じ仕事には同じ給与」は,<給与=複雑系>を意図的あるいは無意識に思考停止している相である。 「不公平」の論は,だいたいが,この例のように思考停止の相になる。 思考停止になるのは,「この論には,異論の立つはずがない」からスタートしているからである。 「異論の立つはずがない」からスタートしてしまうのは,「悪は不公平を行い,正義は公平を行う」を世界観にしているからである。 「不公平」論は,<悪者>論である。 科学は,<悪者>を立てない。 <悪者>を立てるのは,イデオロギーである。 |