Up 「女性差別」は「女性蔑視」ではない 作成: 2011-11-24
更新: 2011-11-24


    「女性差別」は,「女性蔑視」ではない。

    「女性蔑視」のことばは,ミスリーディング (misleading) である。 それは,問題の真の形を考えないようにさせる。

    「女性蔑視」のことばを使う者は,なぜこのことばを使うのか? それは,「女性差別」を悪者論にしたいからである。
    女性差別をする悪い奴がいる (悪い者・劣った者が女性差別をするのであって,正しい者は女性差別をしない)」という言い方をする。
    こう言われた者 (例えば,「人権・倫理」科目の受講学生) は,悪い者・劣った者に自分がされたくないので,これに同調する:
      女性差別をするなんて,ほんとうにあきれた奴らだ。
       このような悪は許しておけない。

    このやり方は,イデオロギーの常套である。
    翻って,イデオロギーを見分けるのは簡単である。
    悪者論をやるのが,イデオロギーである。

    イデオロギー (=悪者論) にわれわれが対置するものは何か?
    科学である。
    「女性差別」を科学するとき,複雑な系が見えてくる。 そしてこの系の中に,悪者 (「女性蔑視」をする者) は本質的に存在していない。