Up バランス実現の方法は,役割分担 作成: 2011-02-11
更新: 2011-02-11


    組織は,《倫理と相反しながらも倫理を保つ》の形を自らつくるものになっている。 倫理とは,あるかないか,優れているか劣っているかではなく,バランス──組織全体でのプラス・マイナス──で考えることになるものである。

    「大学生き残り」の時代の大学経営者は,大学の各要素を<商品性・市場価値>で考える。 大学経営者にとって価値のあるものは,商品性・市場価値の高いものである。
    大学では,「商品性・市場価値が高い」という市場用語を直接使うのを憚って,「戦略的」ということばを用いる。 このことばを用いれば,つぎのようになる:
      大学経営者は,大学の各要素を「戦略的」にすることを,自分の役割とする。

    一方,大学教員は,大学の各要素を<教育的価値>で考える。

    教育的価値は,ほとんどが「戦略的」にならないものである。
    しかし,大学経営者は,これらを「戦略的」にすることを自分の役割にしている。 「戦略的」にするために,それらを損ない・壊すことをやる。
    ここに,大学教員がこれをさせないことを役割とする者として現れる。

    「大学生き残り」の時代の大学では,大学経営者と大学教員が,大学の大事をめぐって攻防する。