Up 全体利益は犠牲を伴う──犠牲者問題が人権問題に 作成: 2011-11-23
更新: 2011-11-23


    全体利益の実現は,必ず犠牲者をつくる。
    高速道路や治水ダムの建設は,建設予定地内の住民を,事実上強制的に立ち退かせるものになる。
    全体利益の犠牲の候補にされた者たちは,相対的に少数であり,そして「全体の利益」が抵抗し難い形で突きつけられるので,結局そのまま犠牲者になってしまう。

    「全体利益のための個人犠牲」は,自分がその立場に立たされたら,「理不尽」である。
    当事者になってしまうことと第三者でいることのギャップは,とてつもなく大きい。
    ここに,《犠牲者問題を人権問題として捉える》の考え方が立つことになる。