Up 「男女共同参画社会」 作成: 2012-02-09
更新: 2012-02-09


    「男女共同参画社会」は,「公平・平等」イデオロギーの一種である。
    イデオロギーを考える要諦は,<思い>と<結末>を分けて考えることである。

    「男女共同参画社会」のイデオロギーは,《これを進めるとは,それによって何が起こることか?》を思考停止した体(てい) で立っている。
    「男女共同参画社会」を実現するとは,それによって何が起こることか?

    何が起こることになるかを考える上で,同じく「公平・平等」イデオロギーであった共産主義の結末がどんなであったかを見ておくことが,参考になる。


    「男女共同参画社会」を実現する体制を,ひとはつぎの形でしか考えることができない:
      《業績/能力主義を,男女一律に課す。》
    そして,これを進めていく。

    ところで,人に対すれば,業績・能力よりもずっと顕著な人間的/生物的/存在的特質として,<性>が見えることになる。 そしてこれが,業績/能力主義に徹底することを難しくする。
    そこで,この<性>を隠すことを,制度に加える。
    ユニフォーム主義である。


    一律業績/能力主義は,格差社会に進む。
    ユニフォーム主義は,ユニフォームからの逸脱に対する抑圧・弾圧・粛清に進む。

    こうして,「男女共同参画社会」を進めていく先にあるものは,格差とユニフォームを体制とする社会である。
    業績/能力主義に適い,ユニフォームをすんなり受け入れられる者が,この社会での勝ち組になり,業績/能力主義,ユニフォームの一方ないし両方に適合できない者が,負け組になる。

    「公平・平等」の理想は,<論理・力学>の自動運動によって裏切られる。
    裏切られるのは,<論理・力学>を思考停止しているためである。


    実際のところ,「男女共同参画社会」のイデオロギーは,女性もこれを受けつけない。
    それは,自分が<格差・ユニフォーム体制>の負け組になることを見てしまう女性が,女性の多数派になるからである。