Up 人権問題でないものを人権問題にするモンスター 作成: 2012-01-26
更新: 2012-01-26


    勝手を知らない場で行動すれば,モンスターになる。
    知らない領域でものを語れば,モンスターになる。
    「モンスター」は,資質を指すことばではない。
    <知らない>が或る場に置かれたとき,それが現す様相を指すことばである。
    或る領域の達人が別の或る領域でモンスターであることは,ふつうのことである。
    特に,「モンスター」に悪い意味はない。 「モンスター」は,単純に,機能概念である。

    「人権」の意味を知らない者が「人権」を語れば,モンスターになる。
    「人権」モンスターというわけである。
    それは,どんなモンスターか?
    人権問題でないものを人権問題にするモンスターである。

    「人権」モンスターは,いたるところに現れる。
    「人権・倫理」科目においても,これの内と周囲の両方にこのモンスターが現れる。


    「人権問題でないものを人権問題にする」には,いろいろなタイプが見出される:
    • 「差別・不公平・蔑視」を人権問題にする
    • 「迷惑・被害・暴力」を人権問題にする

    「人権問題でないものを人権問題にする」には,「抑圧からの解放」のイデオロギーがもとになっているものがある。 「左翼イデオロギー」と称されているイデオロギーが,このイデオロギーである。

    このイデオロギーは,「理不尽な力とそれに抑圧される弱者」の図を描き,「差別・不公平・蔑視」「迷惑・被害・暴力」のはなしをこの図に重ね合わせようとする傾向がある。 「人権」の意味も,この図に重ね合わせようとする。
    そこで,このイデオロギーは,「差別・不公平・蔑視」「迷惑・被害・暴力」を「人権問題」にするモンスターを,容易に生み出すことになるのである。