Up 例 :「パブリックコメント募集」への対し方 作成: 2008-04-06
更新: 2008-04-06


    「パブリックコメント」が,2005年の行政手続法の改正で,法制化された。

      意見公募手続(第39条)
    • 命令等制定機関は、命令等を定めようとする場合には、当該命令等の案等をあらかじめ公示し、意見提出期間を定めて広く一般の意見を求めなければならない。
    • 公示する命令等の案は具体的かつ明確な内容であって、当該命令等の題名や命令等を定める根拠を示さなければならない。
    • 意見提出期間は、命令等の案の公示の日から起算して30日以上でなければならない。

    これに倣い,いろいろな公的機関が「パブリックコメント」を行うようになる。
    国立大学でも,「法人化」の施策案は学内のパブリックコメントにかけられる。 ──ただし,つぎのように意見提出期間が短く,多分にアリバイづくり的なところもあるが:

    平成20年3月17日
     教員各位
    副 学 長   

    このことについて,大学計画評価室長から別紙(添付ファイル)のとおり平成20年度年度計画案が示されました。
     ついては,計画案に対して意見等がある場合は,3月19日(水)正午までに総務グループへ電子メールで提出願います。

    *************************
    岩見沢校総務グループ
    (発信時間は,3月17日 14:24 )

    ここで問題にしたいのは,この種の「パブリックコメント募集」に対応する形である。
    意見を出さないのは,「異議無し」の意味になる。
    よって,意見の表明が必要になる。
    ただし,「コメント」は,このゲームを認めることになる。

    このゲームを認めないことを述べる意見は,ゲームのメタレベルを使うことになり,そして送る先は募集元ではなく,筋から言うと,全学教職員全員 (メディアは同報メール) である。
    しかし,このやり方は,これの方法論が相手に了解されている限りにおいて可能になる。 ──了解がなければ,唐突メール (さらには迷惑メール) になる。
    したがって,どんなメディアを用いそして誰に発信するかを,状況を見てケースバイケースで判断することになる。

    現実には,このようなことをするコスト (労働量・時間) を見て,たいていは「パブリックコメント募集」を流すことになる。
    そして募集元も,どうせコメントは来ないと見込んで上記のようなナンセンスな期間設定をするような感じにも,なってしまう。