Up 「法人化」のシナリオ 作成: 2008-04-05
更新: 2008-04-05


    国立大学は,「法人化」の「改革」シナリオを真に受けた。
    引っ込みがつかなくなった大学執行部は,いまも「真に受ける」役を演じ続けている。 (中には,いまなおこのシナリオを信じている者も,いるかも知れない。)

    「真に受ける」をやることで,国立大学はインテリジェンスを一挙に失う。
    ──つぎのように


    国立大学が真に受けた「改革」シナリオとは,つぎのものである:

      いまの国立大学は劣っている。
      国立大学は,経済主義・競争主義・実績主義・評価主義に立たせることで,互いに切磋琢磨するようになり,自らを向上させる。
      だめなところは,自ら滅ぶ。

    これに対し,国立大学で実際に起こったことは,偽をやること。
    自分の本分を行うことは,経済主義・競争主義・実績主義・評価主義にのらない。 そこで,偽で自分の身を立てようとし,本分の方をないがしろにする。
    このことが,「裸の王様」の構図で,組織全体を席巻する。

     註 : 「裸の王様」とは:
    王様が裸に見えているが,組織の中では「王様の服はすばらしい」と言うことになっている──そういう組織力学を指す表現。
    この状況に精神的に耐えきれず「王様は裸だ!」を井戸の中に向かって叫べば,「王様の耳はロバの耳」の話になる。