Up | 「改革」の意味:市場原理の貫徹 | 作成: 2008-05-11 更新: 2008-05-11 |
「改革」しなければならない国立大学とは何か? 共産主義イデオロギーが言うような「自らの適性・能力・関心に応じて働き,その成果を分かつ」が行われてきた場である。 国立大学間でも,互いのこのような関係を認め合ってきた。 そして,この協働関係を保証してきたのが,「国立」というシステムである。 国立大学の「法人化」のバックグラウンドになっている「改革」は,「市場原理の貫徹」を進むべき方向とする「改革」であり,特にこの意味で,「小さな政府」を進める。 よって,国立大学に対しては,これを商業主義に立つ企業 (「法人」) にすること,特に「国立」を解消することが,「改革」になる。
このアイロニーの研究は,「国立大学法人化」の研究の重要な要素になる。──組織とイデオロギーの関係の本質的な構造/力学を顕すものになるということで。 国立大学を市場原理の貫徹する場に改めることとして,先ず,国立大学の各要素を厳格に商品化することが取り組まれる。 これは「評価」という形で行われる。 国立大学は,<値段>をもって,格差づけられる。(「大学評価」) 一つの国立大学の中では,教職員が,<値段>をもって,格差づけられる。 ──厳格に<労働力商品>化されるというわけである。(「業績評価」) 授業・生徒指導も,個々に<値段>がつけられて,格差づけられる。(「学生による授業評価」) 国立大学の「法人化」は現在この段階にある。 そして,ストーリーの上では,つぎに「商売」がくる。 大学教育に市場経済が展開されるわけだ。 また,国立大学の「法人化」では,「<値段>づけは,国際標準を見るように!」が行政から指導されている。 これが,国立大学の「グローバル化」の意味である。 大学教育の市場経済はグローバルに展開される。──行政は「法人化」にこれを織り込んでいる。 |