Up 教員評価反対論も「個の多様性」否定に陥る 作成: 2008-11-27
更新: 2008-11-27


    教員評価システムの導入に対する意見の論述は,どのようなロジックになっているかで,つぎのタイプ分けが考えられる:

    1. 教員間の差別化は,原理からいって,できることではない。
      大学のコンセプトになっている<教員の多様性>が,理由である。

    2. 教員間の差別化は,できることである。
      しかし,やるのはよくない。

      B1 : やるのはよくないから,やるべきでない。
      B2 : 既定路線になっているので,落としどころを考えねばならない。 ということで,これこれはこう直すようにさせる。(条件闘争タイプ)

    3. 教員間の差別化は,できることである。
      そして,教員間の差別化は,大学の改革にとって必要なことである。
      ただし,教員を評価するシステムとしては,これこれの点に問題点があり,そこはこう直すとよい。


    A と B の違いは,特に「評価点の低ランク」のとらえ方のところで,はっきり現れる。
    Aの立場では,「E評価」は一つの能力タイプを表す。
    E評価教員は,「E評価」を勲章にする。
    特に,「E評価」を「劣る・弱い」の意味にしてこれを守り,公表しないようにしようとする「人道主義」が,Aにとっていちばん苦手なものになる。

    Bの立場では,「E評価」は「劣る・弱い」の意味になる。
    これは,Cの立場と同じである。
    BがCと違うのは,Bでは,「E評価となった者を守らねばならない」になる。 そして,「E評価教員が公表・抑圧されることがないようにする」を,考え出す。