Up 国立大学における官僚主義優勢の構造 作成: 2007-08-02
更新: 2007-08-02


    「法人化」の国立大学では,「大学評価」(国立大学法人評価委員会/文科省) の様式にそっくり応ずることを自分の課題とした結果,官僚主義が席巻するようになった。

    これまで官僚主義の無かったところに官僚主義が新しく生まれたのではない。 これまでおとなしかった官僚主義が,活性化したのだ。


    国立大学の官僚主義は,伝統的に教員が哲学とし資質としてきた「個の多様性,無頼」によって,バランスがとられてきた。
    ところが,「法人化」は教員の自信喪失をもたらした。
    官僚主義から出てくる本末転倒に対して,
      大学とは,そんなもんじゃない
      教育・研究とは,そんなもんじゃない
    が言えなくなった。
    少なくとも,面と向かって言う気概が無くなった。
    著しくは,教員の中からも
      大学とは,こんなものだ
      教育・研究とは,こんなものだ
    と思う者が出てきた。


    「個の多様性,無頼」が,大学から消えた。
    替わって,官僚主義がすっかり自信をもつようになる。
    そして,図に乗りはじめる。
    ──ことあるごとに,
      とことん定型であること
      上からの指示にそっくり,さらに過剰に対応すること
    を求める。
    自信喪失の教員は,これに従う。


    この先にあるものは?
    官僚主義の蹂躙と教員の自信喪失は悪循環し,自信喪失は奴隷根性に変わる。