Up 自由主義と保守主義の関係 作成: 2010-03-09
更新: 2010-03-09


    保守主義とは,「現前の<主体の行動>の系を保守する」の立場である。
    この保守主義は,つぎの2通りの形で脅かされることになる:

    1. <主体の行動>の系が,与条件の自動的な変化に応じて,変化する。
    2. 中央指導による「改革」として,系の与条件が変更される。これにより,系が安定化しようとする新たな過程が開始される。

    一方,自由主義は,Bは退けるが,Aは認める (妨げてはならないとする)。
    そこで,<系の変化に対する受けとめ方>は,論理上つぎの2通りになる:

    1. Aを受ける (「Bを退ける」を含意):自由主義・保守
    2. Bを受ける (「Aを退ける」を含意):中央指導


    現実的な自由主義・保守は,中央指導を認める。 実際,政治は中央指導である。
    ──このときの自由主義・保守の立場は,つぎのものである:
      中央指導が「系の微妙なバランスを壊して,系そのものを壊してしまう」こと (この意味での「本末転倒」) を,厳に退ける。

    なお,系の変化を全く退けようとする「保守」は,「保存」に他ならない。
    また,「中央指導・保守」は,「中央指導体制の保守」の意味になる。