Up 自由主義の思想の脆弱:要旨 作成: 2010-03-09
更新: 2010-03-09


    「学長の強力なリーダシップ」体制は,中央指導体制である。
    すなわち,国立大学の「法人化」では,「中央指導」のイデオロギーが信じられる。

    「中央指導」のイデオロギーが信じられるとは,翻って,自由主義の思想が脆弱だということである。
    実際,「自由主義」の意味は,中央指導を退けることである。 自由主義は,なぜ中央指導がだめなのかを説く。

    <主体の行動>を要素とする系に対する中央指導は,この系を壊してしまう。 この系が,微妙なバランスの上に立つ複雑系であるからだ。
    国立大学は,このような<主体の行動>の系である。 ここでは,多様な個が互いにバランスをとり合って,<大学>という系を形成している。
    <中央>は,多様な個のこの営みをとらえられない。多様な個の統合である大学をリードできない。 リードしようとすれば,それは「おかしなことをやる」になる。 そして,大学を壊してしまう。