Up | 要 旨 | 作成: 2009-02-10 更新: 2009-02-10 |
<下が支える>構造であるため,トップも逃げられない構造になっている。 「法人化」の国立大学は,国立大学にとっての禁じ手を犯す。一回これに手をつけてしまうと,この種のことをズルズルやるようになる。 このことはトップもわかっている。ただ「立場上やらないわけにはいかない」の思いになっている。 この「立場」から解放してやるものは下からの「否」なのだが,下の方は「彼らそして間に挟まってしまった者たちを困らせては気の毒」「自分もそんな立場になる」の思いで,トップダウンをそっくり受けてやる。 <救う>が,逆の方向に行ってしまうのである。 組織は,<間に挟まってしまった者>を救ってやることをしないと,道連れになる。 (註:トップもまた,<間に挟まってしまった者>である。) <間に挟まってしまった者>は,自分で自分を救えない。 救う方法はただ一つ,他が「ダメ」を言ってあげることである。 <間に挟まってしまった者>は,他からきちっと「ダメ」を言ってもらいたいのである。 委員会の委員長は「いまダメを言わないと,組織はズルズルと変な方向に行ってしまうよ」のシグナルを送っているが,委員はこれを読んであげない。 とはいいながら,実際のところ,<間に挟まってしまった者>は,思い違いをしてしまう。 「トップダウンを実現しなければまずい」というふうに思ってしまう。 「案 (指令) はすんなり通すべきもの」になる。 会議になると,「すんなり通す」のじゃまをしないことを,一人ひとりが努める。 そして,トップの方も「すんなり通すために,余計なものは添えない」になる。 ──「余計なもの」とは,「趣旨・論理・論点」(総じて,理論) である。 こうして,自分を救ってくれる「ダメ」を,自分の方から封じてしまう。 組織は,<思いのすれ違い>状態に嵌り,大学私物化の意識なしに大学私物化をやってしまうことになる。 |