トップダウンのプロセスは,つぎのようになる:
- 執行部は,自分の意向が通った施策をつくらせ・報告させるための委員会を組織する。
- 執行部は,委員会の第1回会議の冒頭で自分の意向を伝え,「よろしくお願いします」を言って退席する。
委員会メンバーは,執行部の意向を絶対のもの (「これは変えられない」) に自らしてしまう。
- 委員会は,執行部方針を受ける形で (そして自分の良心のアリバイづくり的な文言を加えて) 作業報告書を作成し,執行部に上げる。
この報告書は,「執行部の方針は変えられない」としているものなので,「要望書」の見掛けになる。
- 執行部は,「委員会提案を受けた施策」をトップダウン (教授会報告) する。
- 教授会は,「委員会に入った自分の同僚ができるだけのことをしてこうなのだから,しようがない」になる。
ここで興味深いのは,委員会メンバーが執行部の意向を絶対のもの (「これは変えられない」) に自らしてしまうというところである。
この傾向は,個人のイデオロギーとは関係ない。──実際,「反権力」のイデオロギーが強いほど (「反権力」とは裏返った「権力絶対」であるので) よけい「執行部の意向は絶対」になりそうである。
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