Up | 「教育組織の見直し」の企業論理 | 作成: 2011-12-20 更新: 2011-12-20 |
従来型は,「経験的にそれに落ち着いた」というものであり,「大学教育はまあこのようなもの」の一つの形になっている。 一方「改革」は,「改革ありき」が情勢になり,<思いつき>を拙速に進めるという格好になった。 結果,異形の教育組織が出現した。 「改革」の熱が収まり,少し自省的になってくると,「教育組織見直し」が課題としてもたれるようになる。 「教育組織見直し」の方向は,異形の教育組織を改めることであり,単純にこれを行えば,従来型への回帰になる。 ──「改革」のつぎは「復古」がくるのが,定番である。 「改革」と「復古」は,大学の経営論理/企業論理で進められる。 一般に,企業論理は倫理問題になる。 企業論理が倫理問題になるのは,企業論理のよいわるいの話ではなく,企業論理とはそういうものだという話である。 企業は,顧客に対し,現商品をよい商品だと謳う。 大学は,新組織が開始される前までは,現行組織をよい教育組織であると謳う。 新組織が開始されるや,新組織をよい教育組織であると謳う。 これは矛盾であるが,この矛盾を行うことは企業論理の一内容である。 企業論理は,そのまま倫理問題になる。 「現行組織がよい教育組織」が「新組織がよい教育組織」に切り替わった時点で,構造的に,これまでの集客 (学生募集) が「詐欺」だったということになり,欠陥のある商品(教育) をこれまで売っていたということになる。 そこで,企業は,この切替が倫理問題にされないよう,いろいろ方策する。 その一つが,「教育組織見直し」を秘密の作業にするということである。 <作業途中>は,企業にとって,外部に対する防衛力の弱い状態である。 「秘密」は「都合の悪いことを隠す」であるが,「都合の悪いことを隠す」もまた企業論理の重要な一内容である。 強調するが,企業論理が倫理問題になるのは,企業論理のよいわるいの話ではなく,企業論理とはそういうものだという話である。 |