Up 「リーダシップ」バブル 作成: 2006-10-10
更新: 2006-10-10


    「バブル」とは,実体のともなわないものを膨らませる様を指すことば。
    実体のともなわないものを膨らませ続ける先は,破綻。 これを「バブルがはじける」とか「バブル崩壊」という。

    バブルがはじけるのは,時間の問題でしかない。
    バブルは,最初からはじけることがわかっている。(正確に言えば,進む先が破綻であることが論理的/構造的に自明であるものを「バブル」と呼ぶ。)
    はじけることがわかってバブルに進む原因・理由はつぎの2つである:

    1. 愚か:バブルであることがわからない
    2. 確信犯的:バブル期を利用し,それがはじける前に勝ってしまう


    法人化後の国立大学は,現在「リーダシップ」バブル期にある。
    「リーダシップを唱えていればうまくいく」「うまくいくかいかないかはリーダシップ」といった感覚だ。 何をリードするかの「何」の方は,国立大学の本分・分限論から見ててんで方向違いか,あるいは考えていない。よって,この場合のバブルの位相は,上の「愚か」「確信犯」のうちの「愚か」の方である。  

     参考:北海道教育大学運営会議資料 (2006-09-26) から:

      1. 教授会の審議状況について
        教授会の議事運営について,副学長が議長,司会を行っているキャンパスもあるが,教授会構成員の輪番で司会進行を行っている等,旧来の方法がそのまま継続して行われている所が多い。キャンパス運営において副学長にリーダシップが求められている現在,それが発揮できる運営方法への工夫が求められる。
       
      教授会などとうにトップダウンの要素装置化しているのだが,トップの方からまだこのようなことを言ってくるというところは,研究の立場からはおもしろい: