Up | 「実践」科目の実際 :「教職論」 | 作成: 2009-12-14 更新: 2009-12-14 |
各教員養成系大学・学部は,この中の「教職の意義等に関する科目」に応ずる科目を設ける。 これが,ここでとりあげる「教職論」の沿革である。 「教職論」も,「総合演習」と同様,<だれでも担当>仕様の授業として扱われている。 例えば,大学の方で,いろいろな教育の現場から外部講師を6人ほど用意する。対象学生を一堂に集めての外部講師による講義を,隔週ないし2週間おきに行う。学生は講義に対するレポートを出す。その間の授業日には,学生は教室に別れてグループ討論をする。 各教室の担当者が,この科目の担当者である。かれらの役回りは,教室単位の内容のコーディネートである。特に,グループ討論のコーディネートである。 しかし,その討論は,小学生に討論させているのと同じである。 討論にはならない。 実際,討論は,討論できる素地があって成り立つ。 <素地>をつくっていくのが教育なのであるが,「実践」主義者は「条件としての<素地>」を見ない。 そして,こんなあり得ない科目をつくりだす。 「教職論」は,<だれでも担当>仕様の科目として,すなわち,当番制でしぶしぶ引き受け,時間を埋める何かを適当にさがして授業の格好にする科目として,これからもしばらく続いていくことになるのである。 |