Up 弱者論への論点ずらし 作成: 2011-07-18
更新: 2011-07-18


    「任期制」の問題は,大学の教育・研究がこれによってどうなるか,「大学」という一つの文化がこれによってどう変じることになるか,という問題である。
    任期制は,組織を<人を育てない組織>にしてしまう。 また,任期採用された者は無理をすることになり,そして無理は<邪道を進む>に通じる。 こういった問題である。

    組合は,「数は力」の思想のもとに団結をつくり,雇用条件の改善を勝ち取ることを旨とする組織である。 そこで,組合にとっての任期制の問題は,「雇用条件での不利益・不公平の発生」というものになる。 任期採用者の位置づけは,「弱者」である。

    このような組合は,ある段階で (あるいは任期制導入の話が出てきてから時間をおかずに),任期制導入をさっさと既定事実化する。 任期制導入を先取りし,問題を雇用条件の話に転じていく。