Up 「学生の本分」の指導 作成: 2006-05-07
更新: 2006-05-07


    学務事務や教員は,学務において学生をテクニカルに扱う。
    これに応じて,学生も「学生であること」をテクニカルにとらえる。
    この結果,「学生の本分」という問題の立て方が,学校全体で希薄になる。

    移行期旧課程の問題は,専ら「科目履修」(さらに「副免取得」) の視点で考えられている。 「学生の本分」の視点のない「科目履修」の上っ面の議論が起こるおそれがある。


    学生の本分は「勉強」。勉強によって自己を確立していく。
    勉強による自己実現が主で,科目履修はこのための手段。

    CAP, GPA は,勉強の主旨と背反する狂った科目履修を抑制しようとして導入された。 しかし肝心なことは,このようなテクニカルなやり方の前に,まともに「学生の本分」の指導を行うことだ。 学生が意味を理解したところで「良識的科目履修」が起こるのでなければ,何にもならない。


    学生が「学生の本分」を大学で全うすることに努めようとすれば,自ずと科目履修の精選,免許取得の精選が起こる。数を増やすことに意味がないことが,わかってくる。

    現状 (学生の実態・学生指導の実態) では,教員がこのことを (暗黙にではなく) 明示的に──「学生の本分」の指導という形で──学生に教える必要がありそうだ。(「学問ノススメ」)