Up | 企業─組合─パルタイ | 作成: 2006-01-05 更新: 2006-01-06 |
ここでは,<企業-組合>から<企業-組合-パルタイ>を区別して,後者の形を一般的/図式的に押さえておく。 パルタイは,自組織オーガナイズのターゲットに,ある企業を定める。 これを,「自組織オーガナイザーが執行部をとる組合を,その企業の中に組織する」という形で行う。 企業経営者にとってこの構図は,「パルタイによる企業乗っ取り」になる。 なぜなら,企業経営者にとってパルタイはことば/世界を共有できない存在なので,「パルタイに侵入される」は,「企業文化 (=企業そのもの) を変えられる」を含意する。そして,一旦侵入されてからのパルタイ排除も,法的に権利保証された組合を相手にすることになるので,極めて困難になる。 よって,企業経営者は,組合-パルタイが企業に入ってくることに極力警戒する。 組合-パルタイが,企業経営者にとってことば/世界を共有できない存在であり,そして企業文化 (=企業そのもの) を壊すのは,それの二元的世界観(「加虐者-対-被虐者」「搾取する側-対-搾取される側」「富者-対-貧者」「強者-対-弱者」「善-対-悪」等)による。 そして,「企業文化 (=企業そのもの) を壊す」直接のものは,<組合の許しを得て行う>形の経営。 この経営手法により,企業の中のプライオリティがぐちゃぐちゃになる。
パルタイの企業侵入を防ぐための企業経営者の対策は,先ず,自らが健全であること。これが弱みをつくらないということ。併せて,組合を必要としないシステムをつくるか,あるいは経営者主導で協力的な組合(註)をつくってしまうということになる。 ここで,「経営者主導で協力的な組合をつくってしまう」は,「経営陣の言うことを聞く組合をつくる」ということではない。組合をおく場合は,「経営陣への反対勢力を組合に回収させる」という形で組合を機能させる──これが定石。 ちなみに,個の多様性に基づく組織のダイナミズム,知のシナジーが企業の命であるから,「経営者主導 (=狭隘な主観の主導)」の発動はつねに慎重を要する。
組合-パルタイを無用/無効にする「健全」の内容には,企業業績,報酬規準・理由の明文化,組織員厚生の充実といったことの他に,基盤的/根底的な要件としてつぎのものもある: ちなみに,「言論の府」としての「大学」は,「パルタイはもちろん組合も無用/無効となる組織作り」の課題を達成しやすい企業。この課題達成にもたついている大学は,単純に,「言論の府」としての責務を果たしていないということだ。 |