Up | 要 旨 | 作成: 2008-03-13 更新: 2008-03-13 |
問題解決を「制度改革」と定め,制度変更に進む。 制度変更は,決して問題の解決にはならず,それどころか,却ってよりひどい問題を引き起こす。 「改革」は中止され,「改革」の後遺症の手当のステージへと進む。 なぜ「制度改革」は失敗し,よりひどい問題を引き起こすことになるのか? ──間違いから出発しているからである。 間違いとは? ──<問題を制度の上に載せる図>である。 制度は,複雑系の一つの均衡 (その都度の均衡) を表している。 制度は,複雑系の表出である。 一方,問題も複雑系の表出である。 「構造」の考え方ができれば簡単にわかるように,制度 (複雑系の一表出) をいじって問題 (複雑系の一表出) を解決するという発想は倒錯である。 制度を変えるとどうなるか? 均衡を壊された複雑系は,改めて均衡づくりをする。 その均衡は,結局,もとの制度 (旧制度) である。 新制度は,「偽りの制度」になる。 この「偽りの制度」が,複雑系の均衡づくりを邪魔する。 そして,よりひどい問題を引き起こす。 問題を制度の上に載せる間違った図を描く者はだれか? 基本的に,行政である。 そして,行政が号令を発すると,<お上意識>がこれに共振して,間違った図を信奉する集団心理が社会に起こる。(「改革」バブル) |