Up 経費配分における優先度・費用対効果比の問題について 作成: 2009-06-09
更新: 2009-06-09


(教職員自由掲示板への書き込み文書)

    「母屋でおかゆをすすっているときに、離れですき焼きを食べている」とは,一般会計で赤字削減している隣で特別会計で浪費している,と批判した塩川正十郎のことば。
    国立大学の「法人化」では「経費の重点的配分」が唱えられるが,この場合真剣に考えていかねばならないのが,この「特別会計」の問題である。

    万・十万単位で研究費の削減,研究旅費の削減が指示される隣で,トップ裁量経費のプロジェクトであろうか,十万単位の経費使用と思われる報告書がずいぶんと配布されてくる。

    「法人化」の雰囲気に流されてしまうと,「このプロジェクトについては,費用対効果比がどうなっているのか?」ときちんと問うスタンスが,忘れられてしまう。注意が必要である。

    折しも,この度は「FD活動」が示され,このプロジェクトにけっこうな経費が投入されそうな趣きがあるが,FDがこのような形でどの程度実効するものかどうかは,教員養成の専門の立場からこれを観れば,すぐれて論点である。

    経費配分については,優先度の問題,費用対効果比の問題を閑却させないことが肝要である。
    言えばあたりまえのことであるが,心掛けとして保ち続けることは,存外難しい。