Up 経済主義・評価主義 作成: 2008-03-04
更新: 2008-03-04

    国立大学の「法人化」は，大学経営が経済主義・評価主義で行われることを主旨とする。 しかし，経済主義・評価主義の大学運営は，「本来あるべき教育が従」になり，さらに教育ないがしろの「何でもあり」になる。

    受験倍率の低下や定員割れを恐れる大学は，入学生の青田買い (無試験入学) に走る。
    受験ではなく無試験を選ぶという傾向性は，既に「勉強」能力が適切に形成されてこなかった可能性を示す。 無試験入学が「大学生の学力低下」と連動することは明らかだが，この「学力がない」は構造的に「モンスター」に通じる。
    つまり，無試験入学は，モンスター肯定のシステムになる。

    教育面では，経済主義・評価主義は教育を形骸化する。 形骸化した教育の方が，経済主義・評価主義にとって具合のよいものになるからである。
    形骸化した教育は，モンスター大学生に対しては「適当にやり過ごす」を方法として用いる。
    というわけで，これまた，モンスター肯定のシステムになる。

    このように，経済主義・評価主義に導かれる大学は，モンスター肯定のシステムをつくる。 社会がモンスターだらけになる動きに手を貸す。